研究概要
(1) 海から見た島嶼植民地とその機能の解明:「海の視点」の導入、つまり、複数の西欧帝国が競争的に開拓した航路や人・商品の移動経験が集約された島の機能を視野にいれることで、陸・海の両方の視点から島嶼植民地の多様な機能とそれらが帝国支配に持った意義について検討する。
(2) 人・モノ・知の移動の総合的検討:「海の視点」を加えることは、商品作物のみならず、人の移動を航路・中継地点によって結ぶことにもなる。これまでの食のグローバル・ヒストリーにおいては人(移民労働者・仲買人・消費者)の移動性はあまり着目されず、一方、既存の日本人の移動研究では、「人」を主体にした事例研究が主流であり、それに伴うモノや知の移動はあまり注目されてこなかった。人・モノ・知の移動とその連関性や相互作用に着目することで、環太平洋地域を縦横無尽に繋いだグローバル・ネットワークの形成過程とその役割を多角的に検討する。
(3) 研究対象地域の地理的拡張:グローバル・ネットワークによって繋がった環太平洋地域の島嶼植民地が経験した帝国的支配の直接的・間接的影響を考察する。ここでのポイントは、これまでの研究対象地域に加え、フィリピン(スペイン・アメリカ・日本帝国支配地)、オーストラリア(イギリス帝国の影響地)、ジャワ(オランダ帝国支配地)を研究対象地域として加えることで、複数の帝国による複数の島嶼植民地支配に対する理解をさらに拡充・充実させることにある。
海外共同研究者
Dusinberre, Martin (Professor, University of Zurich)
主な活動
2017年度
・国際ワークショップへの参加(招待)
Iijima, Mariko. “Coffee Web: Remapping the Movements of People and objects and knowledge across Asia-Pacific Region,” International workshop: Bodies and Structures: Deep-Mapping the Spaces of Japanese History, 8-11 June 2017, University of California, Santa Barbara, The US, Invited. (参加報告)
・編著の出版
飯島真里子「はじめに」「交差する2つのグローバル・ヒストリーーハワイ島コナにやって来たコーヒーと日系移民」、上智大学アメリカ・カナダ研究所、イベロアメリカ研究所、ヨーロッパ研究所編『グローバル・ヒストリーズー「ナショナル」を越えて』(上智大学出版、2018)187-215頁
2018年度
・国際学会での発表Iijima, Mariko. “Coffee Web: Remapping the Movements of People and objects and knowledge across Asia-Pacific Region,” International workshop: Bodies and Structures: Deep-Mapping the Spaces of Japanese History, 8-11 June 2017, University of California, Santa Barbara, The US, Invited. (参加報告)