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2017.07.01 / Category : 未設定
2016年度活動報告

1「日系アメリカ人二世のアジア・太平洋従軍:人種、エスニシティ、市民権の考察」(松平けあき、本学大学院)201662日開催:日系アメリカ人の従軍経験をアジア太平洋地域の人種・エスニック構造から文脈から再考している意欲的な研究であり、同地域を主体とした視点の重要性が議論された。

2「ハワイにおける水産業の発達と日本人」(小川真和子、立命館大学)2016722日開催:ハワイの水産業に関する歴史を日本人移民との関わりから考察した研究であり、「海」の視点から太平洋世界を検討する必要性が指摘された。

3「チウラ・オバタ『Lake Basin in the High Sierra (ca.1930)』におけるアメリカ美術と1920年代の日本画の融合」(桂麻子、本学大学院)20161027日開催:絵画と日本人移民から日米関係を考察している視点が斬新であり、太平洋世界を美術、技法から見る重要性が確認された。

4「『記録と記憶のアメリカ:モノが語る近世』をめぐって」(和田光弘、名古屋大学、初期アメリカ学会と共催)2016123日:モノ(コイン)からアメリカ史を語る方法論の有効性について理解を深めることができた。

5「Who Remembered Who Made Chicken of the Sea When Pearl Harbor was Attacked?」(櫻井敬人、和歌山県立太地町歴史資料室研究員)2017125日開催:北米のシーチキン缶詰産業に関わった太地町移民の事例から、特定の歴史が忘却される過程に関する議論が展開された。

(2)次世代活性化国際シンポジウム「アメリカ大陸と太平洋地域をつなぐ:境界を超えることの課題と可能性」(イベロアメリカ研究所、アメリカ・カナダ研究所共催)20161117日:当初メンバーであった松平が学振規定によって分担者になれないことが判明し、本シンポジウムの発表者ゲバラ准教授(アリゾナ州立大学)を招聘した。シンポジウムでは、北米・ラ米・アジア太平洋地域の「移動」をテーマに研究を行っている若手・中堅研究者を招き、アジア太平洋-米大陸を包括的に捉えた移動研究の展開の可能性とともに、複数地域を一人で研究することの問題点などについても話し合った。